刺繍ミシン (手振ミシン1)
ずっ以前からあり、今でも現役のミシンがいます。
それが刺繍ミシンで、通常"横振"(よこぶり)と呼ばれいます。
全体形状は、昔の普通のミシン(カーネーションで主人公が使用している)と同じです。
違いは、普通のミシンは、「送り」(前後に動く)しかできませんが、
横振ミシンは、左右にも動くところです。
そのため、「(布)抑え」がありません。(気を抜くと指を縫います)
主にネーム刺繍に使われ、職人が1枚いちまい縫って行きます。
三好
2011年11月30日
刺繍糸のより
料理を一生懸命作る時など「腕にヨリをかける」と云いますが、
刺しゅう糸にもヨリはあります。ヨリをかけることにより強度が増します。
これはロープを見れば一目瞭然です。
更にヨリは糸の滑りを良くします。
刺しゅうでは『左撚り』が良いとされ、
その見分け方は、
糸を左右の手に持ち、右手を時計回りに回転させヨリが緩めば左撚りとなります。
因みに当店で使用している糸は勿論すべて左撚りです。
三好
2011年11月21日
刺繍を作成するソフトについて3
今日は先日の刺しゅうデータ作成機(パンチングマシンと云います以下PM)の続きです。
パソコンでは印刷物などはスキャナーで取り込みますが、PMは投影機を用います。
先ず投影機で原画を6倍に拡大し方眼紙に写し取ります。
拡大された図案を、今度は実際の刺しゅうと同じように線を定規などで書き込みます。
それをPMの製図板みたいなのに貼り付け、ベルト駆動の針をセットします。
ここからいよいよ本番のパンチングです。
製図板の前に箱があり左右にハンドル(パチンコの右手で回すノブを想像して下さい)が付いています。
このハンドルを動かし先の針を動かし図案の線を辿るのですが、右ハンドルは左右方向、
左ハンドルは上下にそれぞれ動くようになっています。
例えば針を右斜め上に動かしたかったら、右ハンドルは右回り、左ハンドルは左回り
左斜め上なら両方とも左という具合です。そうして針先を移動させ足元のペダルを踏むと、
7〜8cmのパンチカードを『バッタン』と打ち抜きこれで1針になります。
どうです恐ろしく時間のかかる作業ですね。どんなに急いでも1時間に700〜800針が限度です。
通常8〜9センチの丸型ワッペンでも10,000針はすぐに越えてしまいます。
PMでこれを作成したらゆうに10時間はかかり、それプラス先の作図作業を入れると
ワッペン1枚のデータ作成に2日も掛かってしまいます。
どうですか平林さん?
三好
2011年11月19日
刺繍を作成するソフトについて2
5年程前になりますが、NHKで『アジアの刺しゅう現状』を見ました。
日本では、現在ではほとんど使用されていない、20〜30年前の刺繍データ作成する機械(パンチングマシン)を使用していました。
日本のミシン中古機が出回っているのは知っていますが、
作業時間が、何十倍〜何百倍もかかるパンチングマシンまで、今だに使っているとは…驚きです。
その内容は次回お知らせします。
三好
2011年11月18日
刺繍を作成するソフトについて1
刺繍データの作成は、現在は専用のソフトを使って作成しています。
ソフトを使用しますと、オリジナルデザインは作成に時間はかかりますが、
昔に比べると、夢のように早くできます。
ソフトでとても便利なのが、刺繍フォントで、そのおかげで、
イージーワッペンなどは、お客様にお安く提供できています。
※刺繍フォント・・このHP中では当店刺繍書体といっているものです。
三好
2011年11月17日
刺繍、ワッペンで使用する金銀糸の構造
刺繍、ワッペンで使用する金銀糸は、中央の「芯」に、「純銀で作った金、銀色」 を巻いて作られています。
中央の「芯」は、ナイロン芯と、レーヨン芯、ポリエステル芯の3類があります。
ナイロン芯は、強いのですが、熱に弱いので、ワッペンの周りのフチには使用できません。
ナイロン芯のほうが、芯が強く、作業する時、針が折れやすい等、使いづらいです。
通常は、レーヨン芯の金、銀糸を主に使用します。
色も、レーヨン芯のほうが多いです。
しかし、ナイロン芯にしかない金色を使用する際にナイロン芯を使います。
金銀糸は、このように純銀を使用していますので、直接、肌にあたるもにに使用する場合は、金属アレルギーの恐れがあります。
正規の金銀糸(純銀使用)でなく、輝きは劣りますが、鉱物を使用していない金銀糸もあります。
2011年11月10日
刺繍、ワッペンで使用する金糸の色
「金糸の色で、迷ってる」 というお客様に、金糸を4色選んで、郵送しました。
金糸は、1色だけではありません。
当店HPの糸の色見本のページでは、3色、載せていますが、
きれいな金糸、黄色みが強い金糸、茶が少し入った落ち着いた金糸、銀糸に近い金糸など、現在、十数種類、在庫を置いています。
迷われるのは、当然です。
当店にお任せいただければ、全体的なデザインバランス、使用目的などお聞きし、試縫い(実際に刺繍する)をして、色を選定させて頂いています。
2011年11月 8日
刺繍、ワッペンのデザイン、アウトライン化しなくても、大丈夫です
「イラストレーターのデータをアウトライン化しましょうか?」
と、ご注文いただいたお客様から、メールを頂きました。
その優しさに、とても感謝です。
でも、アウトライン化は、当店では必要ありません。
今は、とても便利になって、アウトライン化すれば、刺繍ソフトが自動でデータ(型)を作れるものもあります。パッとです。
でも、当店ではそれは使いません。
というのは、データ(型)作成は、その刺繍屋の生命線です。
型作成で、刺繍の良さ悪さが、二分されます。
糸のなびき(方向)は、周りの部分ときれいなエッジにするため、どのようにするか、
光沢は、糸のなびきがどの方向がきれいに見えるか、
など手間と時間をかけて、試し縫いを繰り返し、作成しています。
2011年11月 5日
横手やきそば暖簾会さまのワッペン
横手やきそば暖簾会さまのワッペンを作らせていただきました。
そう、B1グランプリで優勝された「横手やきそば」です。
「B-1グランプリin姫路」、11月12日〜13日の兵庫県姫路市で開催されるそうです。
復興を目指す我が東北の仲間たちと一緒になって頑張る、という意思表示の意味でこの度ワッペンを作成することになったそうです。
少しは東北のお役に立ちたいと思い、超特急で作成させて頂きました。
秋田県から兵庫県まで、バスで16時間もかかるそうで、テレビでは映っていませんが、本当にみなさん頑張っていらっしゃいます。
姫路お近くの方は、ぜひ、この思いが詰まった「横手やきそば」を食べにきてくださいね。
2011年11月 1日